2025年12月13日
大宮駅東口徒歩6分の大宮やすだ歯科です。
「乳歯はいずれ生え替わるから、虫歯になっても大丈夫」と思われがちですが、実はこれは大きな誤解です。乳歯のむし歯は、後から生えてくる永久歯の健康や歯並びに強く影響します。今回は、乳歯の虫歯がなぜ永久歯に影響するのか、歯科の専門的な視点からわかりやすく解説します。
乳歯のすぐ下で永久歯が育っているから
乳歯の根のすぐ下には、次に生えてくる永久歯の芽(歯胚:しはい)が存在します。乳歯に深い虫歯や炎症があると、その炎症が歯胚にまで及び、永久歯の質や形に影響を与えることがあります。実際に、乳歯の虫歯を放置したことで、永久歯に白い斑点ができたり、エナメル質がうまく形成されず表面にくぼみができるケースもあります。
乳歯を早く失うと歯並びに影響が出る
乳歯は単に“生え替わるまでの仮の歯”ではありません。実は、永久歯が正しい位置に生えるためのガイドの役割を担っています。
しかし乳歯が虫歯で早く抜けてしまうと、本来そこにあるはずのスペースが失われ、隣の歯が寄ってきてしまいます。その結果、永久歯の生えるスペースが足りなくなり、歯並びがガタガタになったり、生える位置がズレたりすることがあります。後から矯正治療が必要になるケースも珍しくありません。
噛み方のクセが顎の成長にも影響
乳歯が虫歯で痛むと、子どもはどうしても痛くない側ばかりで噛もうとします。この「片側噛み」が続くと、顎の成長が左右不均等になったり、噛み合わせがずれる原因になります。顎の成長期は乳幼児〜小学生の間のため、乳歯の時期の影響はとても大きいのです。
虫歯菌の多い口内環境は永久歯にも悪影響
乳歯が多く虫歯になるということは、口の中に虫歯菌が多いということを意味します。そんな環境で永久歯が顔を出すと、まだ柔らかく虫歯になりやすい生えたての永久歯が、すぐに虫歯になってしまうことがあります。
つまり、乳歯の虫歯は 「永久歯の虫歯リスクを高める」 という意味でも注意が必要なのです。
乳歯の虫歯予防は“未来の歯”を守ること
乳歯の虫歯は、単にその歯だけの問題ではなく、お子さまの将来の歯並びや永久歯の質、さらには顎の成長にまで影響します。大切なのは、乳歯の時期からしっかりケアすることです。
家庭でできる対策
仕上げ磨きを毎日続ける
甘いおやつや飲み物のダラダラ摂取を控える
フッ素入り歯磨き粉の使用
歯科医院での定期検診(3〜4ヶ月に一度)
乳歯は子どもの発育にとって非常に重要な役割を持っています。「どうせ抜けるから」と放置せず、早めの治療・予防でお子さまの将来の歯を守りましょう。当院でもお子さまの虫歯予防や治療を丁寧にサポートしておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
大宮やすだ歯科 院長 安田朋之
