2025年12月14日

大宮駅東口徒歩6分の大宮やすだ歯科です。
お正月や行事で食べる機会が増える「おもち」。やわらかく、子どもから高齢の方まで楽しめる食べ物ですが、「おもちを食べたら歯が取れた」「詰め物が外れた」といったトラブルが毎年のように起こります。
しかし実は、“おもちで歯が取れる”こと自体は偶然ではなく、もともと歯や詰め物に問題があるサインであることが多いのです。
おもちには強い粘着力があるが、正常な歯は簡単には取れない
おもちの特徴はなんといっても“強い粘着力”。噛むと歯にぴったり張り付き、上下に引っ張る力が加わります。
とはいえ、健康な歯・しっかり付いている詰め物が、おもち程度で外れることはほとんどありません。
つまり、「おもちで取れた」という場合は、
詰め物の下で虫歯が進行していた
被せ物の接着剤が劣化していた
歯そのものが割れていた
歯周病で揺れていた
といった、何かしらの不具合がすでにあった可能性が高いのです。
おもちは“きっかけ”に過ぎず、本当の原因はもっと前から進んでいた状態と言えます。
詰め物の下の虫歯は気付きにくく、突然外れることも
特に多いのが「詰め物の下で虫歯が広がっていたケース」です。
見た目は問題なくても、内部で虫歯が広がり、詰め物と歯の間に隙間ができてしまうと、接着が弱くなります。
そこにおもちの引っ張る力が加わると、ポロッと外れてしまうことがあります。
普段は痛くなくても、外してみると大きな虫歯が隠れていることは珍しくありません。
入れ歯が“おもちで外れる”のも異常のサイン
入れ歯がよく外れる、浮く、噛みにくいと感じる場合も、おもちがきっかけで外れることがあります。
これは、
入れ歯の適合が悪くなっている
歯ぐきの形が変わってきている
バネのかかりが弱くなっている
など、調整が必要な状態にある証拠です。
入れ歯が安定していれば、おもちがくっついても簡単には外れません。
乳歯が“おもちで抜ける”のは、生え替わりのサイン
子どもの場合は、生え替わりの時期で根が吸収されている乳歯は自然に抜けやすい状態です。
おもちの粘着力がその後押しになることがあります。
これは問題ありませんが、抜けた穴におもちが入り込むと不衛生なので注意が必要です。
おもちで歯が取れた=早めに歯科受診を
「おもちで取れたからつけ直すだけでいい」と思われがちですが、外れた原因をきちんと調べることこそ大切です。
取れた詰め物の下で虫歯が広がっていた
歯が大きく破折していた
歯周病で骨が減っていた
こうした状態の場合、そのまま付けることはできません。
取れたという事実は、“歯からのSOS”と受け止めてください。
まとめ:おもちで歯が取れるのは、もともと悪くなっていた証拠です
おもちは確かに歯にくっつきやすい食べ物ですが、健康な状態なら外れることはありません。
逆に言えば、「おもちで歯が取れた」というのは、
『気づかないうちに歯が悪くなっていた』ことを教えてくれるサインです。
年末年始は歯のトラブルが増える時期でもあります。
もし歯や詰め物が取れてしまった場合は、放置せず早めにご相談ください。早期に対応することで、治療も軽く済むことが多くあります。
大宮やすだ歯科 院長 安田朋之
