2025年11月22日

こんにちは、大宮駅東口徒歩6分の大宮やすだ歯科です。
「親知らずが痛い」「抜いたほうがいいの?」というご相談は、歯科医院でも非常に多い質問のひとつです。親知らずは必ずしも“抜くべき歯”ではありませんが、トラブルが起こりやすい歯であることは事実です。今回は、親知らずが痛くなる理由や抜歯のメリット・注意点について、わかりやすくご紹介します。
■ 親知らずとは?
親知らずは、奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯で、正式には「第三大臼歯」と呼ばれます。一般的に10代後半から20代前半に生えてきますが、まっすぐ生えてくる方は意外と少なく、横向きや斜めに生えてくることも多く見られます。顎が小さい現代人では、親知らずが生えるスペースが足りず、歯ぐきに半分だけ埋まったままの“埋伏歯(まいふくし)”になる場合もあります。
■ 親知らずがトラブルを起こしやすい理由
親知らずがあることで起こりやすい代表的な症状は次の通りです。
● 歯ぐきの腫れ・痛み(智歯周囲炎)
歯ブラシが届きにくいため、汚れが溜まりやすく、炎症を繰り返します。
● 虫歯になりやすい
親知らずだけでなく、手前の奥歯まで虫歯にしてしまうケースも少なくありません。
● 噛み合わせへの影響
横向きに生えていると、手前の歯を押して歯並びを乱す原因になることもあります。
これらは放置すると症状が悪化し、腫れや痛みで日常生活に支障が出てしまうこともあります。
■ 親知らずは抜いたほうがいい?
すべての親知らずを抜く必要はありません。次のような場合は抜歯をおすすめすることが多いです。
横向き・斜めに生えており、炎症を繰り返している
手前の奥歯を虫歯や歯周病にしてしまっている
歯並びや噛み合わせへの悪影響がある
ブラッシングが困難で清潔に保てない
一方、まっすぐ正常に生えていて噛み合わせにも問題がない場合は、抜かずに様子を見ることも可能です。レントゲンやCTで根の向きや神経の位置を確認し、歯科医が総合的に判断します。
■ 下顎管に近い親知らずは注意!まひ(神経障害)のリスクとは
下の親知らずのすぐ近くには、下歯槽神経が通っています。この神経は、下唇やあごの感覚を司る非常に大切な神経です。
親知らずの根がこの神経に近接している場合、以下のようなリスクが考えられます。
● 抜歯による一時的な知覚麻痺
抜歯時の刺激で、一時的に下唇・あご・歯ぐきの感覚が鈍くなることがあります。多くは数週間~数ヶ月で回復します。
● 非常にまれに、長期的な麻痺が残ることも
根の位置や状態によっては、回復に時間がかかる場合があります。ただし、CT撮影(3D画像)で位置関係を正確に把握することで、リスクを大きく減らすことが可能です。
このように、“どこまで安全に抜けるか”を診断するためには、CT撮影が必須となる場合があります。
万が一まひが出てしまう可能性がある方には、術後のケアも含め大学病院をご紹介が必要なケースもございます。
■ 親知らずの抜歯について
親知らずの抜歯は、「腫れそうで怖い」という声をよく聞きますが、多くの場合は局所麻酔で短時間に終わります。特に上の親知らずは比較的抜きやすく、患者さんの負担も小さいケースがほとんどです。
抜歯後は多少の腫れや痛みが出ることがありますが、通常は数日〜1週間ほどで落ち着きます。処方されたお薬を正しく飲み、患部を触りすぎないことが大切です。
■ 親知らずでお悩みの方へ
親知らずは「痛くなってから」来院される方が多いですが、実は痛みが出る前のチェックがとても重要です。レントゲンやCTで状態を確認することで、抜くべきか残すべきか、最適な判断ができます。
「親知らずがあるか分からない」「なんとなく奥の方がうずく」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。当院ではできるだけ痛みの少ない治療と丁寧な説明を心がけています。
大宮やすだ歯科 院長安田朋之
