こんにちは、大宮駅東口徒歩6分の大宮やすだ歯科です。
「しっかり磨いているのに、どうして虫歯ができてしまうの？」
「甘いものを控えているのに虫歯になるのはなぜ？」
虫歯（う蝕）は、単なる“食べすぎ”や“磨き残し”だけではなく、
いくつかの条件がそろったときに起きる病気です。
ここでは、患者さんが知っておきたい虫歯の仕組みをやさしく解説します。

● 虫歯は「細菌」「食べ物」「歯」「時間」の4つでつくられる

虫歯は、次の4つが重なって発生することが分かっています。
むし歯菌（ミュータンス菌）
糖質（甘いもの・炭水化物）
歯の質（エナメル質の強さ）
時間（酸が歯を溶かし続ける時間）
これらがそろうことで、歯の表面が溶けて穴が開き、虫歯になります。

● 仕組み①：むし歯菌が酸を作る

私たちの口の中には、何百種類もの細菌が住んでいます。
その中の一部が“むし歯菌”と呼ばれる細菌です。
むし歯菌は、
糖質（甘いもの・ジュース・ごはん・パンなど）をエサにして酸をつくります。
この酸が、歯を溶かす犯人です。

● 仕組み②：酸が歯のミネラルを溶かしはじめる（脱灰）

歯の表面（エナメル質）はとても硬いのですが、
酸に弱く、酸に触れ続けると ミネラルが失われ、溶けていきます。
これを 「脱灰（だっかい）」 といいます。
最初は目に見えませんが、
白く濁って見える「初期虫歯」を経て、そのまま進むと穴が開きます。

● 仕組み③：唾液の働きで修復されるが…追いつかないと虫歯に

実は、唾液には
溶けた歯を元に戻す（再石灰化）パワー があります。
ところが…
間食が多い
ダラダラ食べ続ける
ジュースやスポーツドリンクをちょこちょこ飲む
歯磨きが不足している
こんな状態が続くと、
唾液の修復作業が追いつかず、虫歯が進行してしまいます。

● 仕組み④：歯垢（プラーク）＝細菌の住みか

むし歯菌は、歯の表面につく 歯垢（プラーク） の中で増殖します。
歯垢はネバネバしており、
一度つくと うがいでは取れない細菌のかたまり。
歯垢をきちんと落とせないと、
むし歯菌が住みつき、酸を出し続け、虫歯ができやすくなります。

● 仕組み⑤：歯の質・唾液の量にも個人差がある

虫歯のなりやすさは、人によってかなり違います。
その理由は…
唾液の量・質（酸を中和する力）
エナメル質の強さ
歯並び・噛み合わせ
食習慣・生活リズム
これらの違いによって“虫歯のなりやすさ”は変わります。

● 虫歯を防ぐにはどうすればいい？

虫歯の仕組みから考えると、ポイントはシンプルです。
● ① 歯垢を残さない（歯磨き＋フロスを習慣に）
特に歯の間は歯ブラシだけでは不十分。
● ② 砂糖の取りすぎに注意
飲み物に含まれる“見えない砂糖”が虫歯の原因に。
● ③ ダラダラ食べをやめる
「頻度の多い間食」が最も虫歯を作りやすい環境。
● ④ フッ素を活用する
歯を強くし、再石灰化を助けます。
● ⑤ 定期的に歯科検診へ
自分では見えない初期虫歯の発見に効果的。

● まとめ：虫歯は「原因がわかれば」しっかり防げる

虫歯は突然できるわけではなく、
細菌・糖質・歯の質・時間が重なって起こる“生活病”の一つです。
毎日の習慣を少し整えるだけで、虫歯のリスクは確実に減らせます。
「磨いているのに虫歯になる」
「甘いものを控えても虫歯になる」
そんな方は、ケア方法を見直すサインです。
気になることがあれば、いつでも歯科医院にご相談ください。

大宮やすだ歯科　院長安田朋之