2025年10月31日

こんにちは、大宮駅東口徒歩6分の大宮やすだ歯科です。
地震や台風などの災害時、私たちはどうしても「食料」や「水」「避難場所」の確保を最優先に考えがちです。しかし、実は「お口のケア」も命を守るために欠かせない大切な行動です。
避難生活が長引くと、歯みがきが十分にできなかったり、水が不足してうがいを控えたりすることで、お口の中の細菌が急速に増えてしまいます。これが原因で「災害関連死」と呼ばれる肺炎などの重篤な病気を引き起こすことがあるのです。
なぜお口の清潔が命を守るのか
口の中には常に数百種類の細菌が存在しています。普段は唾液の働きや歯みがきによってコントロールされていますが、災害時にはそのバランスが崩れがちです。
汚れがたまったまま食事をとると、細菌が体内に入り込み、誤って気道に入ることで誤嚥性肺炎を起こす危険が高まります。特に高齢者や持病のある方は注意が必要です。
水が少ないときの口腔ケアの工夫
1.ティッシュやガーゼで歯を拭く
歯ブラシや水が使えないときは、清潔なティッシュや濡らしたガーゼで歯や歯ぐきをやさしく拭き取るだけでも効果があります。
2.うがいは少量の水で
水が貴重な場合は、ペットボトルキャップ1杯分の水を口に含み、数回に分けてぶくぶくうがいをしましょう。
3.キシリトールガムを活用
噛むことで唾液が出やすくなり、口の中の自浄作用を助けます。
4.入れ歯のケアも忘れずに
汚れたまま使うと、細菌の温床になります。水が少ない場合は、ティッシュで拭き取るだけでもOKです。
災害時に備えておきたい「お口の防災グッズ」
・歯ブラシ(家族人数分+予備)
・フロス・歯間ブラシ
・小さめのコップ
・マウスウォッシュまたはウェットティッシュ
・入れ歯ケースと清掃シート
・キシリトールガムや口腔保湿ジェル
非常持ち出し袋に、これらの「お口のケアセット」を加えておくと安心です。
まとめ
お口の健康は全身の健康と深く関わっています。災害時に歯みがきを後回しにすると、思わぬ体調不良を招くことがあります。
「水がなくてもできるケア」を知っておくこと、「日頃から備えておくこと」が、自分や家族の命を守る第一歩です。
著者 大宮やすだ歯科 院長安田朋之
